とりとめもなく映画

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感想『映画 太陽の子』今までに見たことがない戦争映画

みなさん、こんにちは。きぬ(@kinu_otouhu)です。

本日は、2021年公開映画『映画 太陽の子』についてお話ししていきたいと思います。


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ざっくりあらすじ

1945年夏。「F研究」と呼ばれる原子核爆弾の研究開発を進める石村修(柳楽優弥)。戦地から一時帰宅してきた修の弟である裕之(三浦春馬)。建物疎開で家を失った幼馴染の朝倉世津(有村架純)。自分たちの未来のためと研究を進める修だったが、運命の8月6日を迎えてしまい.....。

映画化されたことにすごく意味があると思う作品

本作品は日本における原爆研究が中心の映画。まず日本が原爆研究をしていた事にびっくりで、この事を知っている日本人ってどれだけいるんだろう...と思いました。戦後約80年で初めて描かれているのでは...?(私が知らないだけだったらすみません...)

そもそもなのですが、この日本の原爆研究を題材に映画をつくるっていう事自体がものすごくハードな気がしていて。原爆に関して日本は被爆国で、でも実は日本も原爆研究をしていた...加害国にもなり得た...このことを映画化したこと自体がすごいし、すごく意味があることだなと思います。題材が題材なので批判もあったんじゃないかなとも思ったり。私は貴重な作品だと思いました。

当時の若者の気持ちって

この映画は青春群像劇って言われるくらい当時の若者がメインのお話。やっぱり今の若者と当時の若者って環境が違うから(戦時中っていう特殊な状況もある)考えも絶対に違うなっていつも思うんですけど、本作品はその気持ち分かるかもしれないって強く思うところがありまして。そこをぜひにお話ししたいです。

予告編でもちらっと映っているので、力を入れているシーンなのかなとも思いますが、

三浦春馬さん演じる裕之が海で自殺を図ろうとするシーン。もうね全然一時帰宅してきてからそれまでマイナスなところを裕之は見せないんですけど、自殺を図ろうとして修たちに止められてから「なんで死ななきゃいけないんだ」って海で大泣きする姿を見て、いやほんとそうだよなって。当時の日本はそういう事を口に出すのがタブー的なところもあったみたいですが、素直な気持ちはそうだよなって。他の戦争映画を見ていても、もし自分が出撃とかってなったら絶対に逃げたい...っていつも思っていて。当時の日本人はたぶんですが残された家族のことを考えたり、自分の大切な人たちは戦争で死んでいってしまったりしている中で自分だけそんな事できないっていう気持ちがあったりなのかなと思うのですが、そういうことをもともと自分が思っていたからこそ、裕之の行動にすごく共感できるし、心がぎゅっとなりました。

石村修演じる柳楽さんがとにかくすごい!!!

この映画はもう柳楽さんがほんっとうにすごい!!!主要キャストの方たちみんな演技がすごいんですけど、柳楽さん圧倒的でした。原爆研究に没頭する学生にしか見えないです。物語序盤の修は、あぁ研究が好きなんだよなぁって気持ちが分かるんですけど、徐々に修の気持ちが分からなくなっていって置いて行かれる感じがあって。最後の方の比叡山から原爆が落ちる瞬間を見たいんです」ってもうちょっとついていけないなと...。修は日本の未来のため。戦争を終わらせるため。という目的で原爆開発をしていたと思うのですが、広島に原爆が落ちた後にどういう気持ちでそんな発言がでたのか、私には理解しきれなかったです。でもよく分からないのが逆によかったと思っていて。修自体もだんだん方向というか意味を見失っていってたんじゃないかなと。とにかく表情から話し方からもう柳楽さんすごかったです。

まとめ

きぬ的点数 72

日本の原爆研究っていう知らなかった事実を知ることができて、それだけでも見てよかったと思いました。映画自体はけっこう爽やかに作られている印象で、悲しい映画は苦手っていう人にも見やすいんじゃないかな。やっぱりそうは言っても原爆っていうのは恐ろしいものなので、広島に原爆が落ちたシーンはしっかり恐ろしさも描かれています。修の気持ちについていけなくなってしまったところも、それはそれで良いのではと思っています。

話は変わりますが、少し前かなり話題になっていた『オッペンハイマー』。この映画は原爆の父と呼ばれる人物の作品なので、アメリカ側の原爆研究っていうところで気になるところです。日本では上映されないようでそれが残念ではありますが...。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それではまた!